増え続ける孤独死、自殺者、何とかへらそう、何とか無くそうと国や自治体を中心に取り組んでいますが
一向に減ることが無い、むしろ増加傾向にあるのが実態です。
孤独死や自殺からの原状回復作業は我々の想像を超える強烈な汚れ、悪臭、虫の死骸、
ゴミそして目に見えない菌やウイルスとの闘いです。
これらの原状回復には、特別な機材、薬剤、技術、ノウハウ、マニュアル、経験が必要です。
故に、特別な状況の課題を解決する清掃として、
“特殊清掃”というワードが10年ほど前から使われ始めました。
これまで“特殊清掃”は言葉の通り特別で、特殊な業者しか行うことができない
大変ニッチなマーケットでした。
一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会は、
作業のマニュアル作り、効果の検証、評価、技術支援、技術習得のためのセミナー開催を通じて
業界のサービスの質の向上とサービスの認知活動に努めてきました。
今年は、猛暑とコロナウイルスの影響で孤独死と自殺者が例年になく多く発生しています。
それに伴い、非常に多くのサービス会社が“特殊清掃”に参入しています。
これらの新規参入のサービス業者の大多数は
特別な機材、薬剤を使わず、特別なノウハウや経験を持ち合わせていません。
最近、現場ではこういう話をよく耳にします。
【孤独死からの原状回復を依頼する人】
ニオイが取れていない!これでは次のお客さんが入居できない。ニオイ何とかならないの?
【サービス提供業者】
お客さん、孤独死のニオイは並みのニオイじゃないのはご存じですよね。
ここまで消臭出来たらよい方ですよ。これ以上は取り切れません。
そして、この価格ですからね。安くて良い方だと思いますし、ほかの業者がやっても同じような結果ですよ。
我々はこのサービスの持つ社会的意義、重要性そして難しさを認識し業界の健全な成長を通して
社会貢献に取り組んできた一員として残念な状況が増えており憂慮しています。
そして、上記のよう事例はますます増えていくと思います。
特別な現場で特別な結果を出す=“特殊清掃”
という認識が崩れ去っているのが現在の“特殊清掃”業界ではないでしょうか。
このような、状況が生まれた要因の一つとして
サービスを依頼する側とサービスを提供する側のサービスの結果に対する認識の違い。
サービスを依頼する側とサービスを提供する側が共通のゴールを共有せず、
ただ、価格だけで発注、受注する習慣ももう一つの要因ではないでしょうか?
発注先を決めるには、まずスペックを決め、その条件で価格競争して発注先を決めるべきです。
しかし現実には、サービス会社を複数社選び、見積依頼をして、出てきた価格で発注先を決めるのが一般的。
使用する機材、薬剤、作業工程、ノウハウ、熟練度、目指すゴール、質の違いで自ずと価格は違ってきます。
前提条件を合わせず価格だけで業者選定することは理にかなっていないと言わざるを得ないです。
サービスの質、結果でサービスを依頼する側と提供する側でトラブルを防ぐもう一つの方法として、
上記の新しい発注基準を取り入れてみてはいかがでしょうか?
私たち当協会はサービスを依頼する際、サービスを提供する際、共通して使える判断基準を開発中です。
近日中に、皆様に提供できるよう取り組んでおります、今しばらくお待ちください。
残念ながら増加傾向に歯止めがかからない孤独死、自殺者。
孤独死、自殺者、ごみ屋敷といった事故部屋や水害、火災などといった
災害からの原状復旧サービスの社会的意義、重要性はますます高まっていきます。
健全な業界であり続けられるよう、これまでも、今後も考え続けます
今後とも宜しくお願い申し上げます。