先日、当協会事務局長の細貝が消臭サービスの熟練会社の方々と打ち合わせする機会があり、
最近の受注状況や業界の動向、価格動向など多様な内容について意見交換をしました。
打ち合わせのメンバーは丁寧な仕事と専門知識を持ち合わせた方々ですが、
最近困ったことがあるとのこと。
気温の上昇と共に孤独死清掃や消臭サービスが増えてきたが、
相見積もりが多く失注が続いているそうです。
「〇〇さんみたいな技術力がありかつ妥当な価格で対応している会社が失注するなんて珍しいですね」と質問すると、
「最近はこの傾向が強いですよ。」とのことでした。
話をよく聞いてみると、
・お客さんはネットで数社に声をかけて相見積もりを依頼する
・作業内容や効果を考慮せず価格だけで発注先を決める傾向が強い
なるほど、それでは失注の可能性は高まるなと感じました。
考えてみれば、この傾向は孤独死等の特殊清掃だけではないことにハッと気づきました。
コロナ感染症対策のワクチン集団接種会場の消毒作業の入札や、
感染症発症現場の消毒作業の現場でも同じことが起きています。
作業内容や工程、使用する機材や薬剤、効果の検証や評価、指定、規定なく
価格だけで判断することは利用者、
サービス提供者ともに大きな損失になるのではないでしょうか?
例えば孤独死のサービスの場合、
安い業者にサービスを依頼し短期間で仕上げてもらったが、
臭いが取り切れておらず仕方なく別の業者へ再度サービスを依頼した。
しかしここでも思うような結果にならず何度もサービスを依頼する羽目になった。
といった事例。
目先のコストだけで判断し、結果として時間とコストの面で大きな損失を被ったわけです。
サービス提供業者側も利用者の満足を得ることができず、持続的に受注することが困難になると思われます。
また高い技術力と誠実な作業を提供する業者が生き残れなくなるリスクがあると思います。
このような問題が発生している背景には何があるのでしょう?
社会構造の変化や気候変動に伴って、これまでになかった新たなサービスが生まれています。
そこにはサービス利用者が業者を選定する判断基準、
判断する指標が必要なのではないでしょうか?
コスト、作業内容、効果を見える化した指標、基準の策定が急がれると思います。
近日中に私どもの考えを提言したいと思っております。