一軒家で灯油給湯器に繋がるホースが破損しており、灯油が500ℓ近く漏洩していた。
給湯器が設置されていたのは脱衣所で、脱衣所の床、壁、隣の和室までとても強い灯油の臭気が充満していた。
対象施設 | 一軒家(木造2階建て) |
---|---|
広さ | 45坪 |
対象臭気 | 灯油 |
臭気レベル(作業前) | 5 |
臭気レベル(作業後) | 1 |
作業時間 | 10日間 |
施工日 | 2021年4月 |
地域 | 北海道 |
提供会社 | 株式会社Beクリーン |
脱衣場床はクッションフロアで、クッションフロア裏面まで灯油が完全に回り込み、それが壁まで染み上がっていた。
壁は変色しており目視で灯油の染み上りが確認できるほどであった。
住宅は布基礎の建物で床下の砂利にまで灯油がこぼれていた。
基礎のコンクリート、土台、大引き、根太まで灯油がしっかり染み込んでいた。壁裏は管柱、筋交いなどに染みていた。
建物の構造的に切ることが出来ない木材にまで灯油が染みていた。切除不可なので灯油が染みた木材をそのまま使用する施工で進める。
基礎の砂利、木材に染みた灯油を出来る限り抜き取る作業に多くの日数を割いた。
弊社で今まで行っていた灯油抜取方法よりも半分の時間で灯油を抜き取ることが出来る工法を開発し、その新工法で施工を行う。
灯油を抜き取る洗剤も灯油抜取専用と言う事で、今回新たに調合し開発した。
灯油の場合は消臭業界で一般的な塗料によるコーティングでは臭いを抑えられない。(油分が塗料を侵すため)
なので一部コーティングを行ったが、油分があっても十分な効果を発揮するコーティング剤の選定が必要である。
弊社独自の「臭気シールド工法」ではこの辺りの問題点はクリアできている物と思う。
灯油の臭いにはオゾンはほぼ効果が無いため作業後半で灯油以外の臭い(木材が濡れた臭い、芳香剤の臭い(在宅の戸建だったため))などを一時的に消し、灯油の臭いが残っていないかの確認のために使用した程度である。
作業の要所要所で灯油の臭いに効果的な消臭剤の散布を行っている。また臭気測定器で特に臭いが強い箇所を一工程毎に丁寧に調べていくことが重要であると感じている。
一度他社が施工し消臭に失敗していた物件であったが、弊社施工後は「全く臭いがしない」と評価を頂いた。
灯油の消臭は独自の工法や理論が必要であるため、誰しもが出来る作業ではない事を改めて実感した。