オゾンを用いた除菌・消臭、脱臭と機器の選定について
オゾンの有効性について
オゾンは、酸素と酸素原子によって構成される物質ですが、自浄作用があり除菌・不活化、消臭・脱臭の2方向に対して強い効果を発揮します。
オゾン濃度の求め方について
オゾン燻蒸は、除菌と消臭、脱臭の両方に有効な方法ですが、実際の効果には対象空間に対するオゾン濃度が重要なポイントとなります。
オゾン濃度は対象空間の広さ(容積m3)とオゾン生成器のオゾン生成量スペックで決まり、その濃度を求める計算式は以下のようになります。
※ただし、オゾンが持つ”反応分解”と”自然分解”という特性を考慮しなければなりません。
1時間後のオゾン濃度(ppm)=オゾン生成量(mg/h)÷容積(m3)÷2.14
除菌、不活化
オゾン燻蒸により除菌効果を得るには一定のオゾン濃度で一定時間曝露する必要があります。その数値をCT値といいます。
※CT値は菌、ウイルスの種類により違いがあります。
CT値=オゾン濃度(ppm/分当たり)×時間(分間)
▶ CT値を満たすために必要な時間について
機器のスペックによってCT値を満たすために必要な時間は変わります。
※対象空間の広さ(m2)を20m2、天井高さを2.5m、対象空間の容積(m3)を50m3として計算。
CT値 | CT値12 | CT値60 | ||
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ハイスペック | A(12,000mg/h) | 3分 | 8分 | 33分 |
ハイスペック | B(7,500mg/h) | 5分 | 11分 | 51分 |
低スペック | C(500mg/h) | 52分 | 155分 | 770分 |
消臭、脱臭
オゾンを使って消臭、脱臭するには対象となる臭気物質それぞれに必要なオゾン濃度が存在します。
例えば、ダイオキシンはオゾン濃度12ppm、腐敗臭の原因物質であるイソ吉草酸はオゾン濃度5ppmが必要です。
オゾンは時間の経過とともに分解する自然分解と、反応物に反応する反応分解があるため大容量スペックの機器でなければオゾン濃度を上げることは出来ません。
機器選定について
これまで見てきたようにオゾンを使った除菌及び消臭・脱臭にはオゾン濃度が非常に重要な要因となり、生成機器の選定を誤ると狙った効果が得られない場合があります。
オゾンの特性である”反応分解”と”自然分解”を考慮しハイスペックの機器を選定する必要があります。